独立行政法人国立青少年教育振興機構 国立立山青少年自然の家

立少で体験しよう!

体験プログラム

火おこし体験〜 まいぎり式火おこし器を使って 〜

適期
通年(晴天時推奨)
所要時間
1.5~2時間
対象
小・高学年~
主なねらい
◎ライターやマッチを使わずに火をおこし、火のおきる仕組みを学ぶと共に、その困難さを知る。歴史学習の補充やを学ぶ。
◎班で協力して取り組み、班の凝集性を高める。
◎歴史学習の補充深化として体験する。

1.準備するもの

団体の準備物

○ティッシュペーパーまたはトイレットペーパー(できればざらつきのある安価なものが適)
○麻ひも(あった方が炎が出やすい:班に20cmぐらい)
△脱脂綿(ノンカットのもの:班に50gほど)
△かんなくず(あった方が炎が出やすい)
△モグサ(あると火種から炎がでる率が2倍以上アップ)
火きり板(食堂に注文 班に1枚、未使用品は返却可能)
まさつ棒(食堂に注文 班に2、3本を準備、未使用品は返却可能)

自然の家の貸出用具:火おこし用具一式

2.まず最初に、準備段階  火おこしの動画はこちら

(1)火おこし器の先に火きり棒を差し込む。
(2)敷き板の上に火きり板をのせ、V字の溝の所にある火きり臼(半径1cm、深さ2mmほどのくぼみ)に火おこし器の先の火きり棒をあてます。

3.火種を作る

(1)火おこし器を持つ人と、敷き板と火きり板を押さえる人が向かい合わせで、準備をします。
(2)火おこし器のロープを心棒に巻き付け、横バーを両手で下げると、火おこし器が回り始めます。
バーが下まで行ったところで、反動を利用して、心棒にロープを巻き付け、バーを上げ、
また、横バー下げることを繰り返します。

(3)火おこし器の先の火きり棒が、火きり臼の中でスムーズに回転するように、この動作を続けます。徐々に焦げ臭い臭いと白い煙が出てきます。
(4)続ける内に火きり臼から、摩擦でできた木の粉がV字の溝に落ちてきます。最初木の色をしていますが、続けていくとだんだん焦げ茶色、黒い色になります。
(5)V字の溝の木の粉が黒くなって、まだ続けていると、その黒い粉のかたまりから、煙が出るようになります。しっかりと煙が出ているのが確認できたら、回すのを止め、火おこし器をはずします。(ここで、息を吹きかけると黒い木粉の中に火種ができています。)


*この作業は、大人の場合、3回に2回は、火種ができます。

4.火種から炎へ

(1)敷き板の上にあるできた火種を脱脂綿とほぐした麻縄の中にやさしく入れます。

(2)革手袋をして火種の入った脱脂綿(脱脂綿は厚すぎるとよくありません)を持ち、息を吹きかけて火種を大きくしていきます。
ティッシュペーパー2~3枚でも十分です。
(3)息を吹いていくうちに炎がおきます。


*火おこしで一番難しいのは、火種から炎にする部分です。大人で3回に1回くらいの確率です。
*脱脂綿が少しずつ焦げて、穴があいていき最後に火種が消えてしまいます。脱脂綿が薄くなったら新しい脱脂綿を下からカバーしてつつみ、また、息を吹いてください。
火種が、消えてしまったら、再チャレンジです。


魚焼きのアミを使って空気を送ることもできます。

火おこしのコツ

  • 敷き板と火きり板がずれるとせっかくできてきた木粉がどこかに行ってしまうので、ずれないように押さえましょう。
  • 火おこしは、V字の溝に落ちた木粉が黒くなりそこに火種ができ、それを麻ひも、脱脂綿などに包み込み、息を吹きかけて炎にします。カンナくずなども炎を作るのに有効です。
  • 火おこし器の弾み車の回し方は、リズムよく続けることで木粉が出てきますが、多少加圧気味にした方が粉が出やすいです。また、木粉が黒くなり、煙が出てきた頃から加圧を少し強めにして1分ほどがんばって、回し続けると火種ができやすいようです。
  • 子どもが火種を作るのが3回に1回、炎に仕上げるのが4回に1回程度の確率です。しかし、コツをつかむと簡単に炎まで仕上げるようになります。